それは突然でした。
恋仲になってもたわいも無い話をするものです。当たり前です。
ですが、突然突拍子も無い話が出ることがあります。
その度におもう事…
女心って難しい…
夢の話になった。
そしたら奈都貴が不機嫌な顔になって口を尖らせ言いづらそうに
「………ボクさ、未だに元カレが夢にでてくるんだよね……」
………………は?
っていうか何でこのタイミング?!
てかもう別れて結構経ってますよね?むしろ今俺居るじゃん!
「あんねぇ、お前の彼氏今俺なんですけど?
夢でも元カレ出るのは不愉快なんですが、そこら辺如何ですかねぇ?」
って思わずふて腐れて言っちまったじゃねーかっ!
「ボクだってボクだって…ふゆかいだぁ~~~~~~~~」
今にも泣き出しそうな顔で叫ぶなよ…
正直言って奈都貴の深層意識でアイツがまだ引っかかってる事態が許せん
地味に独占意欲の強いですから俺。
ムッとした顔でモヤモヤしてたら
「早くゆうまくんでいっぱいにしたいです、心も体もね☆」
……………………………
ん?アレ?空耳ですかね???
お、俺お子様だから意味がよくわかん…無い訳ないだろうがっ!!!!!
「っっっっっっ!な、なななっ なつきさん…その発言はだいたんすぎますっ!!」
俺も一応年頃の男の子ですからっ!
そ、それなりに色々妄想しちゃう訳ですよっ!手繋ぐ以降のイロイロなコト…
だってこんなに可愛い彼女居たら妄想せざるを得ないだろ??健全ですよねボク??
なーんて軽くパニくってると
「だって~いっぱいになりたいんだもん…」
ズキューン!
何かが俺の心臓を射抜いた……
うっ…あっ、落ち着け落ち着けぇぇぇ!えっと…確かに悔しい。
あんなヤツがまだ 奈都貴の中にいるのはっ…だからって…だからって??
手繋いで以降に全てすっ飛ばして行っちゃっていい訳?いい訳????
混乱しながらも、その冗談で言ってる可能性も無い訳では無いハズ
「そ、そんなに俺でいっぱいにして欲しいの?」
い、一応ね、確認しておかないとさ!!
冗談かもしれないだろ?俺の焦る姿を見て笑い出すかもしれないだろーーーーっ!!
何でかそんな事を願いつつ聞いたんだけどさ~
一度 こくん と頷きウル目で見上げられてごらんよ!
い ち こ ろ だ ZE(はぁと
もう心臓ばっくばく、全身ゆでタコ状態で真っ赤になりながら息が荒くなって
…正直変態っぽいけども!ほっとけ!!
「そ、そんなに…言うなら…忘れさせてやるよっ」
奈都貴の両肩を掴んでそのまま唇を奪った。
や…やっべぇ…女の子の唇って柔らかいし、いい匂いする…
これってシャンプーの匂い?
あーマジヤヴェーこのまま時が止まればいいのに…
なんて訳にもいかず…えーっと結構してたんじゃねぇか?
その……キスを…
名残惜しいけどゆっくりと口を離し恥ずかしいけど奈都貴の顔を見る
……………………………
ん?…あ、あるぇ?な、何で泣いてるんですかーーーーーーーーー!!!!
え?え?えええええ??お、俺とするのイヤでしたか?!?
「あれあれ?べつにやなわけじゃないんだよ?うれしいんだけど涙が…」
次々と零れる涙に全力で慌てる俺。
要求されてキスしたら泣かれるとか意味判りませんからっ!
「∑ご、ごごごっ ごめんっ!えーっとえーっとっ」
別に悪いことした訳じゃねぇんだけど、何でか誰かに見られるのはまずいと思って
近くの木陰に奈都貴を連れて隠れてしまった。
「い、痛かったとか?」
「…違うよぅ」
じゃ何が原因ですかーー!?
慌てふためく俺とは正反対に落ち着いて来た奈都貴
まだ涙で目は潤み頬を紅く染めていた
うあっ…か、可愛いっ………
「今度は、いきなりじゃなくて、ちゃんとしてほしいんだよぅ」
恥ずかしがりながら目を閉じる奈都貴
一瞬で目が覚めたというか正気に戻ったと言うか…男の子でマジサーセン
でも、今度はさっきよりも冷静だと思うし、もう少し優しく長く…な?
PR